歯の治療はなぜ何回もかかるの?
2025年02月12日
こんにちは!横浜市南区井土ヶ谷駅の駅前にある、可能な限り「痛くしない」、「削りすぎない」、「再発を防ぐ」事にこだわる歯科医院、アス横浜歯科クリニックの歯科医師の吉田です。
歯の治療は1回では終わらないことも多く、仕事や学校が忙しい、正直面倒くさいなど途中で挫折してしまう方もいらっしゃいます。今回は歯の治療に期間がかかる理由を説明いたします。
◎歯の治療に期間がかかる理由その1
【病変の進行状況によって治療が変わるから】
虫歯の進行状況は C1 から C4 と表され、それぞれ治療期間、治療回数が異なります。
C1、C2 の虫歯では、主に詰め物(CR やインレー)で治療することがほとんどであり治療回数は、1〜3回程度で治療が完了します。
C3、C4の虫歯では、根管治療(神経の治療)が必要となり、5回以上治療することが多いです。根管治療を行なった歯は主に被せ物(クラウン)で治療を行います。歯の状態によっては、抜歯となってしまう場合もあり、その際は入れ歯、ブリッジ、インプラント等で治療します。そのため C3、C4 の虫歯は、C1、C2 の虫歯と比較すると治療期間がかかってしまいます。
◎歯の治療に期間がかかる理由その2
【ほとんどの治療が段階的に治療しなくてはいけないから】
虫歯治療は、虫歯を削って終わりになるわけでは無く、虫歯を取り終わった後に詰め物や被せ物を作っていかなくてはなりません。
虫歯を取り切った後に型を取り、完成まで待って、詰め物をつけるといったように段階的に治療を進めなくてはならない為、治療に期間がかかってしまいます。
◎歯の治療に期間がかかる理由その3
【保険診療に制限があるから】
保険診療の場合、診療報酬(レセプト)単価が決められています。
その理由は一人あたりの患者さんへの過剰な保険診療を防止するためです。その背景には「医療費の抑制」を目的とした厚生労働省の政策も関係しています。
◎歯の治療に期間がかかる理由その4
【他の歯とバランスを見ながら治療を進めるから(1口腔単位の治療)】
1口腔単位の治療とは、口の中全体を診察して、歯や歯肉、歯並び、噛み合わせ、顎のバランスなどを総合的に診て治療を行うことを言います。
総合的に診ずに、一度にたくさんの歯を治療していくと、噛み合わせが悪くなり食事が食べづらくなってしまい、接触のある歯だけに咬合力が集中してします。
咬合力が集中すると歯周組織(歯の支え)が悪くなってしまい、歯周病を急速に進行させてしまうリスクになってしまいます。
特に治療が面倒で諦めてしまった方は、お口のトラブルを放置していいことはありません。虫歯などは放置して治る病気ではないので、他のトラブルに繋がる前にしっかり治療しておきましょう。
治療した後は、定期検診やご自宅での正しいケアを実践し、予防することで通院回数や費用など負担を減らすことができ、お口の健康も守ることができます。虫歯などのトラブルが無くても歯科医院に検診で通い、予防と早期発見・早期治療を心がけましょう。治療を繰り返し何度も歯科医院に通われている方などは是非一度、アス横浜歯科クリニックへご相談ください。
参考文献
・日本歯周病学会会誌 2020 年 62 巻 2 号 p .47-57
・令和 6 年度診療報酬改定の概要【歯科】
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001251542.pdf