シーラントって知ってる?
2024年06月20日
皆さんこんにちは。横浜市南区井土ヶ谷駅の駅前にある、『マイナス 1 才から 100 才まで歯を守る』歯科医院アス横浜歯科クリニックの歯科衛生士、會田です。今回はお子さんの虫歯予防処置であるシーラントについてお話していきます。
<シーラントとは>
奥歯の溝を物理的に封鎖したり、シーラント材の中に含まれるフッ化物により再石灰化作用を促進したりする、虫歯予防法です。
お子様の虫歯を予防するための効果的な方法の一つです。この治療は、主に永久歯が生え始める小学生を対象に行われ、奥歯(臼歯)の溝にシーラントと言う特殊な樹脂を塗布して虫歯の原因となる食べ物のカスや細菌が溝に入り込むのを防ぎます。歯の溝は非常に細かく、ブラッシングだけでは清掃が難しい場所です。シーラントによってこれらの溝を物理的に塞ぐことで、虫歯予防に大きな効果を発揮します。
「シーラント治療の適用年齢」
・乳歯・・4~5 歳頃
・6 歳臼歯・・6 歳頃
・永久歯の前歯・・7~8 歳頃
・永久歯の奥歯・・9~12 歳
これらは、おおよその目安であり、処置が必要か否かは歯科医師が判断しますので、気になる方はお気軽にご連絡ください。
シーラント治療は、特に永久歯が生え始める時期に最も効果的です。また、乳歯に対してもシーラント治療を適用する場合があります。特に溝が深く虫歯リスクが高い乳臼歯に対しては、早期からの予防措置としてシーラントが施されることがあります。乳歯が健康に保たれることで、永久歯の正常な生え方や顎の発達に良い影響を与えることが期待されます。
<なぜ子供の歯は虫歯になりやすいの?>
① 乳歯はエナメル質が薄い
歯の表面は硬いエナメル質で覆われていますが、乳歯は永久歯と比べるとエナメル質の厚さが半分程度しかありません。そのため虫歯菌の出す酸にさらされると、すぐに歯が溶けはじめ、虫歯が大きく拡がってしまいます。
② 乳歯は永久歯に比べ柔らかい
乳歯は永久歯と比べてやわらかいため、虫歯になりやすいです。生えたばかりの永久歯も歯の質がやわらかいので虫歯にならないよう注意しなければなりません。
③ 子供は甘いものを好む
子どもは甘いものが好きなので、欲しがるままに甘いものを与え続けていると、虫歯が出来てしまいます。
④ 歯磨きがしにくい
小さいお子さんはお口が小さく、歯も小さいため歯磨きがしにくいです。お母さんが丁寧に気をつけて仕上げ磨きをしていないと、虫歯になってしまいます。仕上げ磨きをきちんとされている場合は、虫歯になるリスクが減少します。
<シーラント治療のメリットとデメリット>
〇メリット
・虫歯予防に効果がある
シーラントは虫歯予防に非常に効果的です。虫歯の発生源である歯の溝を埋めて食べかすや汚れ、細菌の侵入を防ぐことで、虫歯になるリスクを減らせます。
・歯の再石灰化をサポートする
シーラントにはフッ化物が含まれているものもあります。フッ素は歯の表面を再生し、虫歯から歯を守るために重要な歯の再石灰化をサポートするため、より虫歯予防に効果的です。
・保険が適用される
シーラントの処置は、適切な条件下であれば保険が適用されます。
〇デメリット
・再度処置が必要になることがある
シーラントの効果はいつまでも持続するわけではありません。シーラントの効果持続期間は、一般的に 2〜5 年といわれていますが、毎日の食事や噛みしめなどによって、効果は次第に弱まります。そのため、シーラントの状態によっては、再度処置が必要になることもあるのです。
シーラントは非常に効果的な虫歯予防法ですが、その効果は長期間持続するわけではありません。一度の処置だけで安心せず、定期検診を受けるようにしましょう。
・定期検診を受ける必要がある
シーラント処置後は、数か月ごとに定期検診を受けることが推奨されています。
生えたばかりの永久歯は虫歯になりやすいです。万が一虫歯になった場合は急速に進行します。特にシーラントで覆われた歯は、虫歯になっても気づきにくいです。気づかないうちに虫歯が進行していたということもあります。
定期的に検診を受けることで、早期に虫歯を発見できるでしょう。さらに、シーラントの持続性も確認し、必要であれば再処置を行います。
<注意点、メインテナンスの重要性>
シーラントは虫歯予防に効果的ですが、それだけで完全虫歯を予防できるわけではなく、それに頼り切って安心してはいけません。
シーラントは歯の咬合面にできる溝やくぼみの虫歯予防に効果を発揮しますが、歯と歯のすき間部分は虫歯のリスクが残ります。シーラント処置をしていない部分の口腔ケアを怠ると虫歯になってしまいます。歯と歯のすき間のケアには、歯間ブラシやデンタルフロスを使用すると細かな部分の汚れも除去できます。シーラントの保護効果を最大限に活かすためには、日々の歯磨きが大切です。歯磨きは、虫歯だけでなく、歯周病などの口腔トラブルの予防にもつながります。特に、食後や寝る前に歯磨きをすることは、口腔内の健康を維持するうえで非常に重要です。シーラント処置を終えたあとも、しっかりと歯磨きをしましょう。
今回はシーラントのメリットやデメリット等を解説しました。シーラントは歯の溝をプラスチック樹脂で埋めることで虫歯を予防できる処置です。シーラントをしたからといって虫歯を完全に防げるわけではありませんが、虫歯のリスクを下げる事ができます。
アス横浜歯科クリニックでは歯医者に対する不安感や恐怖感、痛みなどを少しでも和らげられるような医院づくりを心掛けています。皆さんのご来院を心よりお待ちしております。
○参考文献
厚生労働省
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-02-011.html
神奈川県歯科医師会