歯周病ってどんな病気?
2021年06月30日
こんにちは。
アス横浜歯科クリニック チーフ歯科衛生士 荒木・歯科衛生士 小林です。
先月のブログでお口の健康と全身の健康について記載がありましたが、今回は「歯周病」についてお話したいと思います。
皆さんは歯周病についてどこまでご存知ですか?
普段、歯磨きをしていて出血がある・歯肉が下がった気がする・口臭が気になる・粘着きが
きになる・歯がグラグラしているなど、これらは全て<歯周病>の症状です。
歯周病とは生活習慣病であり、感染症です。
まず磨き残し(プラーク)の継続的な歯面への付着により歯肉の炎症が起こることを歯肉炎、
さらに炎症が進み歯肉だけではなく歯を支える骨(歯槽骨)までも炎症が及び、歯槽骨が溶け
ることを歯周炎、この二つを合わせて<歯周病>と言います。
この歯周病の厄介なところは、重症化するまで自覚症状が出ない事です。
そのため、予防がとても重要になります。
通常の歯周病治療では、歯周病が進行することにより増加してくる歯周ポケットの深さと、歯石をいかに減少させるかを考え治療を行います。
治療により、歯周病原菌の減少や歯周ポケットの減少は認められるものの、お口の中の歯周
病原菌の割合が高い患者さんのリスクファクターの除去までは行えませんでした。
そこで、アス横浜歯科クリニックでは、トータルヘルスプログラム<THP>と呼ばれる予防のプログラムを導入しております。
THP では、歯石や細菌の量的コントロールだけでなく、細菌叢の改善、すなわち細菌の質的コントロール行います。人間は 3 歳で総菌数が決まりますが、人によって良い菌、悪い菌の割合が異なります。悪い菌を減らし、良い菌を増やすこと(細菌叢の改善)で、むし歯、歯周病になりにくい環境へと変えていくのです。
THP の流れとしては、まず、「聞き取り(問診)」「レントゲン写真撮影」「口腔内写真撮影」
「歯周細密検査(出血・動揺度)」「プラークの付着状況」に加え、「位相差顕微鏡検査」「口臭検査」「唾液検査(唾液量検査・緩衝能検査・虫歯菌の量の検査)」「血糖測定」を行います。
これらの検査を元にトータルリスクを判定し、その方にあったオーダーメイドの治療を開始します。
具体的に治療では、下記の内容を取り組んでおります。
【T.H.P.Water を用いたイリゲーションおよびスケーリング,ルートプレーニング】
お口の中の歯石を徹底的に除去し、歯周病菌の除菌処理を行ないます。
(T.H.P.Water とは)
歯周病菌の血中への侵入を防ぎ、口腔内を除菌します。
次亜塩素酸と活性酸素を活用し細胞レベルで歯周病菌を殺菌・除菌を可能とするもので、こ
れまで対処が難しかった歯周病菌への根本的な治療アプローチが可能となりました。
「財団法人 日本食品分析センター」実施のもと行なわれた各種毒性試験においても優良な
評価を受けています。
【3DS トレイ】
むし歯菌と歯周病菌に効果を発揮する薬剤をマウスピースに入れ、お口の中に使用します。
【PMTC およびエナメルケア】
歯の表面に付着している歯周病菌の巣である「バイオフィルム」を専用の器具を用いて徹底
的に除去し、歯科用トリートメント剤を用いて歯の表面を滑沢にします。
【舌クリーニング】
舌についた汚れ(舌苔)は口臭の原因であるとともに、歯周病を再発させる歯周病菌が溜りや
すい場所です。THP では、安全な口腔環境を造るために、徹底的に舌のケアも実施します。
【抗菌薬や各種サプリメントの服用】
抗菌薬で全身に入り込んだ歯周病菌を血中から殺菌、バイオジェニックス(乳酸菌代謝産生物の摂取)やプレバイオディクスの服用により、お口の中の環境と相関性のある腸内環境を整えます。
ここまでが THP 治療の流れです。
近年では、歯周病菌だけでなく、虫歯菌についても全身疾患に影響を与えることが明らかに
なってきました。
身体の健康は、命の入り口、歯の健康から。
THP 治療を通して、お口の健康と共に全身も健康になり、生活の質(QOL)を向上させるこ
とができます。
笑顔でおいしくご飯が食べられる、より豊かな人生を歩んでいただくお手伝いができたら
幸いです。
THP 治療に少しでもご興味を持ってくださったなら、当院のスタッフまで、お気軽にご相
談下さい!