ベロが白いのはなぜ?原因や予防
2024年07月29日
こんにちは!横浜市南区井土ヶ谷駅の駅前にある、「お口の健康」を通して「全身の健康」を維持することにこだわる歯科医院、アス横浜歯科クリニック歯科衛生士の荒木です。みなさん舌苔(ぜったい)という言葉を聞いたことはありますか?舌の汚れは放置すると口臭や誤嚥性肺炎の誘因となる可能性があるため、舌は適度に清掃する必要があります。今回は、舌苔についてお話しをします!
口を開けて舌を前に出してみてください。 舌の上に白い苔のようなものが溜まっていないでしょうか? それは「舌苔(ぜったい)」と呼ばれる、細菌のかたまりです。舌の表面にある凹凸に口内の細菌などが溜まり、苔状になって付着しているものをいいます。白い苔にように見えるのが一般的ですが、食べ物や飲み物の色によってさまざまな色に見えることがあります。
<なぜ舌苔ができるのか?>
◉舌の清掃不良
食後に歯を磨くのと同様に、舌も清掃しないと食べカスや細菌がたまってしまいます。
また、間食が多い人や食後や寝る前の歯磨きを怠りがちな人は、舌苔が付きやすくなるため注意が必要です。舌苔ができないように、正しい清掃方法で舌をケアした方がいいでしょう。
◉乾燥(口呼吸)
口の中が乾燥すると、細菌が増えやすく、また付着した舌苔が乾いて剥がれ落ちにくくなります。また、普段は鼻呼吸でもマスクをすると苦しくて口呼吸をするケースもあります。口内の乾燥を防ぐためには、意識的に鼻呼吸を行うことが重要です。
◉唾液が少ない
細菌などを洗い流す作用や殺菌作用が唾液には含まれています。 唾液の分泌量が少ないと舌についた汚れが落ちにくく、食べカスや細菌が付着したままで舌苔になってしまうのです。水分補給するなどの対策をしましょう。
◉舌の形
舌の形状は人それぞれ違います。 なかには「溝状舌(こうじょうぜつ)」と呼ばれる溝が舌にある人がいます。 溝状舌は病気ではありませんが、舌がデコボコしているため汚れが溜まりやすく舌苔が付きやすいのです。また、溝状舌ではないものの、舌の表面の凹凸が大きいと場合は汚れが溜まりやすいため、やはり舌苔ができやすいので注意しましょう。
◉舌の位置が低い
舌の位置が低いことも、舌苔が発生しやすい原因の 1 つです。通常であれば上顎と舌がくっついたときの摩擦で舌の汚れは自然に落ちています。 しかし受け口の人は、舌の位置が通常より低くて上顎と触れ合わないために、汚れが溜まりやすいです。
◉抗生物質の影響
抗生物質やステロイド剤の服用によって舌苔が発生する場合があります。 抗生物質やステロイド剤を長期間飲み続けることによって、口の中にいる常在菌の種類が変わってしまい、黒い舌苔(黒毛舌:こくもうぜつ)が付着するケースが該当します。
<舌苔を取り除くには?>
1.専用の舌クリーナー、舌ブラシを使う
舌を傷つけず、効率よく舌苔を取り除くには、専用の舌クリーナーを使用することが効果
的です。 奥から前方へ 3 回程度軽い力でかき出し、やさしく舌苔を除去します。 初めて行う場合は、1 ヵ所につき 2~3 回程度にしましょう。*舌の表面は凸凹しているため、うがいでは落とすことはできません。
2.1日1回が目安
1日に何度も舌をこすると舌の粘膜を傷つけてしまうこともあるので、舌みがきは1日1回を目安に、舌の汚れが気になるときに行って下さい。朝は舌苔の付着量が多いので、舌みがきは朝の歯みがき時に行うのがおすすめです。
3.鏡を見ながら行う
舌苔がついている部分にクリーナーがきちんとあたるよう、舌みがきは鏡を見ながら行いましょう。
4.動かす方向は「舌の奥から手前」
舌の「奥から手前」に動かします。ブラシを手前から奥に動かしたり、前後に往復させたりするのはやめましょう。
5.強い力でみがかない
舌はとてもデリケートな組織です。舌の粘膜や味を感じる味蕾(みらい)を傷つけないよう、軽い力で行いましょう。
6.嘔吐反射を防ぐには舌は思いっきり前に出す
ブラシなどを口の奥に入れると「おえっ」となることがあります。これを「嘔吐反射(おうとはんしゃ)」と言いますが、この嘔吐反射を防ぐには、舌を思いっきり前に出すのがコツです。
7.無理にキレイにしない
これまであまり舌みがきをする習慣がなかった場合は、舌苔が厚くたまっていて、1回の掃
除では舌苔がなかなか落ちないこともあります。毎日舌みがきをすることで、だんだん落ちやすくなっていきます。
舌を傷つけないためにも無理は禁物です。無理して 1 回で取り除こうとせず、少しずつ舌苔を取り除くようにしてください。
「舌苔の除去」は口臭予防に効果的!
舌苔は口臭のニオイの元になるため、舌苔を取り除くことが口臭予防には効果的です。口の中には細菌がいて、食べかすやはがれた粘膜に含まれるたんぱく質を分解して口臭(揮発性硫黄化合物)をつくります。日中は唾液によって細菌の増殖が抑えられていますが、寝ている間は、唾液の分泌が減少し自浄作用が弱くなるので、細菌のかたまりである舌苔の付着量は朝が一番多いと言われています。
当院で行なっている「トータルヘルスプログラム」は「お口全体の健康」を創造し、かつ「全
身の健康」までを生涯にわたって維持させるプログラムです。
歯周病だったり虫歯だったり、悪くなってしまった原因を徹底的に「検査」し「診断」する
ことができますが、その検査の中に口臭検査も含まれています。「硫化水素・メチルメルカ
プタン・ジメチルサルファイド」は「3 大ガス」と言われ、悪臭のおよそ 8 割をこの 3 種類
のガスで占めています。口臭測定器(オーラルクロマ)では、3種類のガスを「ppb」という、ごく少量の単位まで正確に分離検出します。
ジメチルサルファイド以外は「お口の細菌」に起因するガスですので、この検査によりどの
部分を重点的に処置すべきかの診断が可能になります。
舌苔は歯垢などと同じく細菌のかたまりのため、放置すると口臭の原因になります。舌苔そ
のものは大きな問題ではないですが、それが原因となって口臭や、ほかの病気につながらな
いように予防していきましょう。毎日の正しいセルフケアや歯科医院での定期健診を受け、
口腔内を清潔にし、お口の健康を保つようにしましょう。お困りごとがありましたら、いつでもアス横浜歯科クリニックにご連絡ください。
経験豊富なスタッフがお待ちしております。
【参考文献】
全国医学部附属病院
https://www.hosp.hyo-med.ac.jp/disease_guide/detail/190
ライオン歯科衛生研究所
https://www.lion-dent-health.or.jp/labo/article/trouble/06-1/