歯間ブラシって必要?歯の健康を大きく左右する歯間ケアについて
2023年09月20日
横浜市南区井土ヶ谷駅前にあるお口の健康を通して心身の健康を守り、豊かな人生のサポートをする歯科医院アス横浜歯科クリニック歯科衛生士の會田です。
今回は歯と歯の間のケア、歯間ブラシについてお話しします!
毎日ちゃんと歯を磨いているのに、虫歯や歯周病になってしまった!そういったお悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
実は、歯ブラシだけでは、毛先が届かない為歯と歯の間は十分磨けずに、虫歯や歯周病の原因となる、食べかすや歯垢(プラーク)が残ってしまうことがあります。
●歯間ケアの必要性
口腔内には 3 大不潔域と言われる部分があります。
1.歯の咬合面(噛み合わせる溝)
2.隣接面(歯と歯の間)
3.歯頸部(歯と歯茎の間)
歯ブラシは歯の表面の汚れを落とすのに効果的ですが、歯と歯の間には虫歯や歯周病の原因となるプラークが多く付着しています。そこは毛先が届きにくく、歯ブラシだけでは約 60%程度しか汚れが落ち切りません。歯ブラシだけでは落としきれない汚れは、歯間ブラシを併用することで約 90%以上除去することができます。特に、加齢や歯周病により歯肉が退縮してしまうと、歯間が広くなるため歯ブラシと歯間ブラシの併用する口腔ケアがより大切になってきます。
●使用した方がいい理由
歯と歯の間は歯ブラシだけでは汚れが落ちきりません。しっかり磨けずに汚れを放置していると、虫歯や歯周病が発生してしまいます。特に、歯周病で歯茎が下がり始める 30 代以降になると、歯間ブラシの使用がオススメです。
加齢により歯茎が下がり始めると、歯の根元に象牙質の部分が見えてきます。ここは、歯の表面のエナメル質の約 3 倍虫歯になりやすい部分です。歯間ブラシによるケアを取り入れると、根元の部分の歯垢を除去できるで、虫歯予防に非常に効果があります。
さらに、歯間ケアを続けていると、口臭が薄れてくることもあります。口臭の発生原因は、歯間にたまった歯垢であることも多いためです。歯間ブラシを使ったあとは、毎日ブラシの匂いを嗅いでみてください。日々のケアの積み重ねにより、だんだんと口臭が薄れていくのが実感できるはずです。
●フロスと歯間ブラシの使い分け
デンタルフロスも歯間ブラシも歯垢を除去する補助的な清掃用具ですが、得意とする部分が違います。基本的には歯と歯の間の隙間が広い方には歯間ブラシ、狭い方にはデンタルフロスを使用することをオススメしています。
また、歯ブラシと併用した時のプラーク除去率はデンタルフロスよりも歯間ブラシの方が高い傾向にあります。これは、歯間ブラシの方が大きく、毛量が多いことが理由です。
●歯間ブラシのサイズと使い方、頻度
歯間ブラシのサイズは適したサイズを使い、実際に使用した際に、きちんと歯垢や食べカスを除去することができるかが重要です。サイズは人により異なるため歯科衛生士にサイズを確認してもらうのが良いでしょう。
歯間ブラシは使い方を間違えると歯や歯茎を傷つけてしまう恐れがあります。ポイントを押さえて、正しく取り扱いましょう!
〇ポイント 1
必ず鏡を見ながら行いましょう。鉛筆を持つように持つと操作しやすいです。
〇ポイント 2
歯茎を傷つけないように歯の方向にゆっくり挿入します。
〇ポイント 3
歯面と歯茎に沿わせながら前後に往復させます。また片面からだけではなく両面から行うとより清掃性が増します。
歯茎が腫れていると、歯間にブラシが入りにくかったり、血が出たりする場合があります。無理はいけませんが、2 週間くらい続けているうちに、歯茎が引き締まってくるので、出血がなくなってきます。
もし可能であれば、歯の内側からも歯間ブラシを入れます。そうすることで、より歯垢が効率的にとれます。とはいえ、内側からは入れにくく、難しい人もいるので気をつけてください。
前歯は奥歯に比べると簡単ですが、歯並びに凹凸があったり、浮いている歯があったりする場合がありますので、鏡を見ながら 1 本 1 本磨きましょう。
歯間ブラシは使い捨てではありません。洗って繰り返し使えます。毛束がすり減り、軸の針金が折れたら交換しましょう。
●終わりに
歯間ブラシやデンタルフロスは、歯ブラシでは届かない部分の歯垢(プラーク)を除去することができます。使用すると口腔内の歯垢をほとんど除去できるので、虫歯や歯周病の予防に繋がります。ただ、歯垢がきちんと取り除けているかどうかを自分で確認するのは難しいです。
また、正しい道具の選び方・使い方をしなければ、様々なトラブルを招きかねないため、十分注意する必要があります。
アス横浜歯科クリニックの定期検診では、皆さん一人一人に合った最適のセルフケアをご案内します。是非一度ご相談下さい。
●参考文献
デンタルハイジーン 7 月 792
https://systema.lion.co.jp/shishubyo/glossary/s_shikanbrush.htm
https://www.jda.or.jp/park/prevent/index08_09.html