根管治療は放っておくとどうなる?治療する理由
2024年01月25日
可能な限り、「痛くない」「削りすぎない」「再発を防ぐ」事にこだわる歯科医院、アス横浜歯科クリニック歯科医師の吉田です。
今回は根管治療(根の治療)についてお話ししていきます。
●根管治療とは
歯の中には「歯髄(しずい)」と呼ばれる神経や血管を含む組織があります。虫歯や外
傷によって歯髄が感染したり壊死したりしてしまうと、歯髄を取り除く根管治療が必要
になります。一度根管治療を行なったにもかかわらず、再び根管が感染してしまったり感染が残っていたりする場合は、再根管治療が必要になります。
●根管治療が必要なケース
歯髄炎
虫歯が進行し歯髄まで達すると歯髄炎になります。症状は冷たいものや温かいものがしみる、じっとしていても鈍い痛みを感じることがあるなどです。
歯髄壊死
歯髄炎を放置しておくと歯髄壊死になり、温度刺激による痛みは感じなくなります。症状は歯の色が変わってくる、虫歯があってしみていた歯がしみなくなったなどです。
根尖性歯周炎
骨の中まで炎症が進行すると根尖性歯周炎と呼ばれる状態になります。虫歯を治療せずに放置して根尖性歯周炎にまで進行することもありますが、一度根管治療を行った歯が根尖性歯周炎となっていることのほうが頻度としては多いことがわかっています。症状は「噛むと痛い」、「歯茎から膿が出る」、「たまに強い痛みを感じる」などです。
●根管治療中断のリスク
根管治療を中断してしまうと根管治療の失敗のリスクが高くなります。そのため、非外科的根管治療(通法の根管治療)での治癒が困難となり、多くの場合抜歯や歯根端切除などの外科的な処置が必要となります。通常、大臼歯部では抜歯となることが多く、前歯部では歯根端切除を行うことができますが、歯の状況によって選択できる治療が異なります。
●根管治療で当院が大切にしていること、受けられる治療
「再発を可能な限り防ぐ」
再発を防ぐために当院では次のような取り組みを行なっています。
▶︎マイクロスコープの活用
▶︎CT による精密分析
他院で抜歯と言われてしまった方、一度、当院にご相談ください。
「抜歯を回避」できる可能性が残っているかもしれません。
当院が行う根管治療は 「精密」 「可視化」 をコンセプトにしています。
それぞれご紹介します。
「精密」根管治療
マイクロスコープを活用し精密な根管治療を再現します。マイクロスコープとは、治療部位を高倍率で拡大する歯科用顕微鏡です。
根管治療においては、どれだけしっかりと問題部位を確認できるかが成否をわけますので、成功率をあげるためには絶対に欠かすことのできない機材です。
「可視化」根管治療
一般的に行われている根管治療では二次元で撮影できる「デンタルレントゲン」と言われるもので根管治療の診査診断を行います。しかし当院ではケースによって三次元の撮影を可能にする「CT」を利用します。
特殊な根管治療(歯根端切除術)
非外科的な根管治療を行なっても症状が改善しない場合には、感染が残っている部
位を外科的に取り除く必要があります。歯の一部分を外科的に取り除くことで症状の
改善を図るのが歯根端切除の目的です。マイクロスコープ使用下での歯根端切除術の成功率は97.1%であり統計学的にも有意差が認められています。
根管治療を放置してしまうと、歯を失う可能性が高まるため、できるだけ早く治療を再
開する必要があります。治療の再開が遅れるほど、歯を残したり、治療の成功の可能
性は低くなります。もしお口のお悩みや疑問・不安などあればご相談ください。ご来院
おまちしております。
参考文献
・https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-02-016.html
・日本歯科保存学雑誌53(1),66-72,2010