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意外としているかも?歯ぎしり食いしばりについて

2024年05月20日

横浜市南区井土ヶ谷駅前にあるお口の健康を通して心身の健康を守り、豊かな人生のサポートをする歯科医院、アス横浜歯科クリニック歯科衛生士の小林です。


皆さん「歯ぎしり」「くいしばり」という言葉を聞いたことがありますか?言葉自体は耳にしたことがあっても、実際に自分はしてしまっているのか、また、それによってどのような影響が出るのかを正しく知っている方は意外と少ないのではないでしょうか?今回はこの「歯ぎしり」「くいしばり」についてお話ししていきます。


①歯ぎしり食いしばりとは
歯ぎしりとは、上下の歯が非機能的な接触を生じている状態を言います。寝ている時に起こる場合と、目覚めている時に起こる場合があります。また、歯ぎしりには下顎の運動を伴うグラインディングとタッピング、一定の下顎位で行われるクレンチング(かみしめ)とに分類することができます。


②歯ぎしり食いしばりの所見やサイン
・唾を飲み込む時に上下の歯が触れている
・舌の先端が常に下の歯の前歯に触れている
・舌の横の先に凹み(歯に押し付けた跡)がある
・下あごの内側に丸く出っ張った硬い隆起がある
・頬の内側に横線がある


③原因
・噛み合わせや骨格
・口腔内の不快感
・ストレス
・生活習慣


④影響
歯ぎしりや食いしばりを放置すると、歯や歯茎、顎関節に影響を及ぼし、時には大切な歯を
失う原因になることもあり得ます。
1.歯がすり減る
特に分かりやすいのは先が尖っている犬歯で、すり減ると平らになってしまいます。
2.歯がしみる
歯がすり減り、歯の表面のエナメル質だけでなく、象牙質が露出します。結果、知覚過敏が起こりやすくなり、冷たいものがしみたり、歯ブラシがあたった際に痛みを感じます。
3.歯が割れる
無意識下での歯ぎしり時にかかる力は、体重の数倍から数十倍とも言われています。神経のない歯はもろく割れやすいので要注意です。また、健康な歯でも強い力で歯ぎしりや食いしばりを続けていると、割れてしまうことがあります。

4.被せ物が取れやすくなる
歯ぎしりや食いしばりが原因で、金属やセラミックの詰め物や被せ物が取れてしまうことがあります。また、被せ物の高さが合っていないと歯ぎしりがひどくなることもあるので、噛み合わせの治療も視野に入れて、歯科医院へご相談ください。
5.歯周病が悪化する
歯ぎしり・食いしばりが歯周病の直接的な原因になることはありませんが、歯周病にかかっている歯に大きな力が加わることで急速に歯のグラつきなどの症状が進行します。歯を失う結果につながりかねないため、歯周病の早期治療・歯ぎしりの改善が望まれます。
6.顎関節症の発症
顎関節症とは、口が大きく開かなくなったり、開口時に耳元でカクカクとした音が出るなど、あごの不調を示す病気です。歯ぎしりや食いしばりによって顎の骨に過剰な力がかかると、顎関節の一部がズレてしまい、顎関節症の発症リスクが高くなります。

⑤対策

ナイトガード(マウスピース)、矯正治療やボトックス治療ストレスによるものの場合は過度なストレスを軽減すること。またカフェインなどの接種によって眠りが浅くなることも避けられると良いとされています。スポーツ選手や重い荷物を運ぶことが多い仕事などで、瞬発的に力を出すことが多い人で、食いしばりが習慣化してしまっているなどの生活習慣による場合は、マウスピースを作ることをおすすめしています。


咬み合わせの異常や顎の変位、金属製の詰め物があっていないなどが原因で、歯ぎしり・食いしばりが起きている場合は歯科矯正や合っていない被せ物・詰め物の治療をしましょう。

また最近ではボトックスを活用されている方が多くいらっしゃいます。ボトックス(ボツリヌス)とは、ボツリヌストキシンと呼ばれる複合毒素から毒素を取り除かれて抽出されたタンパク質の一種です。美容の世界ではシワ取りで使用されているので有名ですが、歯科では筋肉を弛緩させる作用があるため、歯ぎしり・食いしばりに有効な治療法です。効果の持続力には個人差がありますが、4〜6 ヶ月が概ね目安となっています。永続的な効果があるわけではありませんので、定期的に治療を行うことで効果の持続と改善が顕著になります。また、持続時間が長くなっていく傾向もあります。定期的な治療で現在の状況を歯科医師にお伝え頂きながら、どれだけ継続するべきかを話し合いましょう。


歯ぎしり、食いしばりはそれぞれの原因によって対策方法が異なります。
・ストレス→ストレス自体を取り除く
・歯並び、噛み合わせ→矯正治療
・合っていない被せ物、詰め物→治療
など、はっきりした原因がわかるようであれば根本的な部分から改善ができるとよいと思います。たとえ自覚がなくても多くの方がしており、お口や身体に多くの悪影響を与える可能性があります。ぜひこの機会にご自身のお口の中にも意識を向けてみて下さい。そして、原因は様々なので是非アス横浜歯科クリニックへご相談下さい。

●参考文献
馬場一美、顎口腔系の非機能的運動・習癖 pp 43-47、一般社団法人日本顎関節学会編「新
編 顎関節症」、永末書店(京都)2013
睡眠時ブラキシズム研究の Classic Evidence-その歴史的・学術的背景から最新の研究成果
を学ぶ-pp 156-172、馬場一美、葭澤秀一郎、酒井拓郎、クインテッセンス TMD YEAR
BOOK 2012

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