知らなきゃ怖い!歯周病が全身へ及ぼす影響とは?
2023年03月25日
こんにちは!横浜市南区井土ヶ谷駅の駅前にある、「お口の健康」を通して「全身の健康」も維持する事にこだわる歯科医院、アス横浜歯科クリニックの受付の新田です。今回は、歯周病と身体との関係性についてお伝えしたいと思います。
まず、歯周病とは先月もお伝えしておりますが、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りの歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。
お口の中にはおよそ 400~700 種類の細菌が住んでいて、普段あまり悪いことをしませんが、ブラッシングが充分でなかったり、砂糖を過剰に摂取すると細菌がネバネバした物質を作り出し、歯の表面にくっつきます。これを歯垢(プラーク)と言い、粘着性が強くうがいをした程度では落ちません。
この歯垢 1mg の中には約 1~10 億個の細菌が住みついていると言われ、むし歯や歯周病をひき起こします。その中でも歯周病をひき起こす細菌が多く存在しているとも言われています。歯垢は取り除かなければ硬くなり、歯石と言われる物質に変化し歯の表面に強固に付着します。これはブラッシングだけでは取り除くことができません。この歯石の中や周囲に細菌が入り込み、歯周病を進行させる毒素を出し続けていくため、これらの細菌をコントロールしていくことが重要になります。
『歯周病と全身疾患』
ここで、最近わかってきた歯周病と全身疾患(心臓疾患・脳血管疾患、糖尿病、妊娠・低体重児出産、動脈硬化、脳梗塞など)の関連について述べたいと思います。
細菌が体内に進入することを菌血症といいます。一過性の菌血症は、抜歯、スケーリング(歯石とり)などの歯科治療だけでなく、咀嚼運動やブラッシングによっても引き起こされることが報告されています。
歯は硬組織が体の中と外を貫いている器官で、その硬組織と軟組織をつなぐ境界が歯肉です。歯肉と歯との間の溝を歯周ポケットといい、そこには常に細菌が常在しており、炎症を起こすと歯肉の上皮組織の断裂が起き、容易に細菌が侵入してきます。その細菌が血流にのり、全身にまわって各臓器に定着すると何らかの全身疾患が引き起こされる場合があります。
健康な方では、免疫機構により細菌は排除されますが、何らかの疾患をお持ちの方や、高齢者は抵抗力が弱く細菌を十分排除できずに定着してしまう恐れがあります。このようなことから、歯周病が様々な全身疾患との関連性があるといわれています。
『全身の健康に歯科が出来ること』
毎日の食生活を含めた生活習慣を見直し、歯周病を予防する事が、全身疾患を予防することにつながります。 お口の健康と共に全身も健康であれば、生活の質(QOL)を向上させることができます。私達は皆さんが笑顔でおいしくご飯が食べられ、より豊かな人生を歩んでいただくお手伝いができたら幸いです。3ヶ月に一度は歯科医院を受診し、生活習慣や口腔内のケアの見直しを行い、予防に繋げていきましょう!何かお困り事がある方は是非一度当院へご相談下さい
参考文献
日本臨床歯周病学会/歯周病について
https://www.jacp.net/perio/effect/
公益財団法人長寿科学振興財団/歯周病と全身疾患の関係
https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/ha-kokushikkan/shishubyo-zenshinshikkan.html