根の治療を途中で中断するリスクとは?
2024年09月25日
こんにちは!横浜市南区井土ヶ谷駅の駅前にある、可能な限り「痛くない」「削りすぎない」「再発を防ぐ」事にこだわる歯科医院アス横浜歯科クリニック歯科医師の青木です。今回は根管治療についてと、何故中断してはいけないかの理由をお話しします。
◎根管治療とは?
歯の根の中にある歯髄が炎症や感染を起こした時や、一度治療していても根管の治療が不完全であったり再感染や損傷が起こった時に必要となる治療法です。その原因は深い虫歯、歯の亀裂、外傷などが挙げられます。炎症や感染をそのまま放置しておくと、歯が痛んだり根の周囲の組織に炎症が広がったり歯肉が腫れたりします。根管治療では、根管を綺麗に清掃し、 再度の感染を防ぐために根の中に詰め物をします。根管治療をすることによって、虫歯で破壊された歯であっても根を保存し、もとの歯と同じように機能することができるのです。
◎根管治療を中断するとどうなる?
根管治療は、通常、歯の根の細菌や汚れを除去し被せ物を装着するまでに複数回の治療が必要です。しかし、患者さんの中には治療期間が長くなることで治療をやめてしまったり、歯が痛く無くなったという理由で通院しなくなったりする方もいます。今回は、根管治療を途中でやめることのリスクについて解説したいと思います。
1. 虫歯の進行・感染の拡大
治療では感染した神経や細菌を取り除きますが、治療を途中でやめると、残っている細菌から再び感染が広がる恐れがあります。神経を取り除いた歯は痛みを感じなくなるので、気づかないうちに重症化している可能性が高まります。重症化したときには歯茎や顎骨まで感染が拡大し、より症状は深刻になります。
2. 抜歯の可能性が高まる
根管治療を途中でやめると、抜歯の可能性も高くなります。最後まで治療を受けると根管内にはきちんと薬剤が充填されます。しかし、治療途中の歯では、もともと神経が通っていた部分が空洞になっており、力に対して非常に弱くなっています。強い力に耐えられず歯が割れてしまうと、ほとんどの場合抜歯をするしかなくなってしまうでしょう。また、治療を放置したことによって虫歯がさらに進行した場合も、抜歯対応となる可能性が高まります。
3. 仮蓋や被せ物に不具合が起こる
根管が綺麗になり、最終的な薬剤を充填してから被せ物を入れるまでの期間が空いてしまうと、仮蓋の隙間から細菌が入り込んだり、仮蓋が取れて綺麗になった根管内が再び汚染されたりして、再度炎症を起こしてしまいます。こうなると治療をやり直さなければなりません。また、型取りをして被せ物をする直前に中断してしまうと、被せ物が合わなくなることがあります。もちろん被せ物が合わなければ再度作成しなければなりません。
このように、根管治療を中断してしまうと、感染の再発や拡大、痛みの悪化などが起こり、最終的には歯を失うリスクがあります。そうなると治療がさらに難しくなり、通院回数も増えるため、費用の負担も多くなってしまいます。歯や全身の健康を守るためには、根管治療は最後までしっかりと完了させることが重要です。
今回は根管治療についてと、中断してはいけない理由をお話しました。根管治療によって歯の神経をとって痛みがなくなれば、中断する方がいるかもしれません。治療の優先順位が下がり、仕事や家事などが忙しくなって通院できなくなることもあるでしょう。根管治療は完全に治療を終了するまでは数回かかります。そして歯型をとって被せ物をするところまでが重要です。自己判断で中断すると歯にさまざまな影響が出てしまい、最終的にせっかく残していた歯を抜歯せざるを得なくなる可能性もあります。根管治療を検討されている方は、横浜市南区井土ヶ谷駅の駅前にあるアス横浜歯科クリニックにお気軽にご相談ください。
【参考文献】
一般社団法人 日本歯内療法学会
https://jea-endo.or.jp
公益社団法人 神奈川県歯科医師会
https://www.dent-kng.or.jp