お口の環境は腸内や全身の健康にも影響する?
2024年04月18日
こんにちは横浜市南区井土ヶ谷駅前にあるお口の健康を通して心身の健康を守り、豊かな人生のサポートをする歯科医院、アス横浜歯科クリニック歯科衛生士の大貫です。
今回は『虫歯歯周病の原因となる細菌』についてお話ししていきます。
人のお口の中には約 500 種類以上の細菌が約 5000 億個、1 本の歯には約 10 億個以上住みついていると言われています。人によってその種類や数はまったくことなります。さらに、人の身体の腸の中には約 100 兆個もの細菌がいるといわれています。つまり私たち人間は、沢山の細菌たちとともに生きているということがわかります。
身体の細菌は大きく分けると 3 種類に分類されます。
1、善玉菌
私たちの身体に良い影響をもたらす細菌のこと。
2、悪玉菌
私たちの身体に病気や感染症など悪影響を及ぼす細菌のこと。
3、日和見菌
普段は穏やかな性質だが、周囲の環境に影響されやすい細菌。善玉菌が増えれば良い影響を、悪玉菌が増えればからだに悪影響を及ぼすようになる。
●細菌における全身とお口の関係
お口の中に歯周病菌がいると、唾液に歯周病菌が混ざり飲み込むことや出血部位から血管を通して、かなりの確率で体内にも感染しています。体内に歯周病菌が感染したまま、お口の中の治療を行っても、体内からお口の中へ再度感染を繰り返してしまうので、体内から歯周病菌や悪玉菌を追い出し、良い菌に変えて、歯周病治療を行うことが理想的です。
また、お口は空気や水分・食物とともに様々な「菌」の入り口となる重要な部位です。そして歯周病は心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病のリスクを高める深刻な病気です。お口の衛生と健康を悪玉菌から守ることが、全身の健康を守ることに繋がります。
●プレバイオティクス
「プレバイオティクス」とは、人間の身体に有益な働きをする善玉菌を活用した健康法のことです。もともと腸内にいる善玉菌を活性化させるためのエサになり、善玉菌の増殖を促し、腸の活動を改善して腸内環境を整えることであり、食品では食物繊維やオリゴ糖などです。バクテリアセラピーとも呼ばれ、WHO(世界保健機関)や FAO(国連食糧農業機関)でもその有効性が認められています。さらに、アトピーなどのアレルギー症状も改善されると言われていて、お口の中の環境だけでなく、体内にも良い影響を与え、体質改善も期待でき、お口の中の疾患をも予防できる一石二鳥以上の役割を果たしてくれます。
● トータルヘルスプログラム(THP)とは?
当院では、一般的に行われている歯垢・歯石除去の他検出された菌に一番効果的な手法で
「殺菌」をするプログラムを行っています。虫歯・歯周病は「細菌」が原因ですので、この細菌にアプローチしなければすべての治療は対症療法であり、根本的な改善はしません。トータルヘルスプログラムを簡潔に表現すると、「お口全体の健康」を創造し、かつ「全身の健康」までを「生涯にわたって」維持させるプログラムです。このプログラムは歯周病治療を通して、歯周病が原因となっている「心筋梗塞、動脈硬化、糖尿病、ガン」といった全身疾患を防ぐプログラムになります。
私たちは THP 治療を通して、身体も健康になると、QOL(生活の質)を向上させることができ、皆さんにより豊かな人生を歩んでいただくお手伝いができるのではないかと考えていますので、少しでもご興味を持ってくださったなら、いつでも相談にいらしてください。
【参考文献】
湘南メディカルパートナー
https://www.thp-network.com
腸内細菌学雑誌 16 巻 1 号 “プ レバイオティクスと腸内フローラ”
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jim1997/16/1/16_1_1/_pdf