子供の歯磨き粉(フッ素)について
2024年02月21日
横浜市南区井土ヶ谷駅の駅前にある、『マイナス 1 才から100 才まで歯を守る』歯科医院アス横浜歯科クリニックの歯科衛生士の小熊です。今回はお子さんの虫歯予防、フッ化物配合歯磨剤についてお話していきます。
2023年1月に歯磨き剤フッ化物の推奨濃度の変更がありました。併せてフッ素配合歯磨き剤の推奨使用法も発表されています。正しく使用して虫歯を予防して行きましょう!
【フッ素濃度変更点】
歯が生えてから2〜5歳に用いられる歯磨剤の推奨フッ素濃度が500ppmから1000ppmへ、6歳以上は1500ppmへと変更されました。小児においては特に容量を守って頂き体格の成長に合わせて使用量の調整をしましょう。
【フッ素の必要性】
フッ素は大切な歯の健康を守る有効な予防策です。フッ素は大きく3つの働きがあります。①酸により歯から溶け出したカルシウムやリン酸を補う事(再石灰化)を促進
②虫歯を引き起こす細菌の働きを弱め酸が作られるのを抑える
③歯の表面を覆うエナメル質を酸に溶けにくい性質に変える虫歯への抵抗力を高める
生えたての歯は未完成で虫歯になりやすいです。そして、乳歯は永久歯よりエナメル質が薄く、溝が深い為です。フッ素塗布により、弱い歯を効率的に虫歯から守る事が出来ます。つまり、フッ素の効果を最大限発揮させるには、『歯が生え始めたらすぐに使う』『新しい乳歯や永久歯が生えてくる生後6ヵ月~13歳までは継続的に使う』という事が大切です。
【安全性】
フッ素はミネラルの一種で、お茶や魚など日常的に口にする食べ物にも含まれています。WHO(世界保健機関)やFDI(国際歯科連盟)でも、フッ素の使用を推奨しているのです。日本での使用が認められているのはもちろん、世界でも120以上の国で使用されています。
特定の状況でフッ化物を一度に大量に摂取してしまいますと、腹部症状(悪心、嘔吐、下痢など)や中毒症状を引き起こす可能性があります。しかし、これまでにフッ化物を配合した製剤や歯みがき剤、洗口液などにより副作用が発現したという報告はなく、承認取り消しになった製品もありません。
【フッ素の有効性】
1~3歳までの間に、高濃度フッ素塗布と歯磨き粉の使用を合わせて行った場合、高濃度フッ素塗布だけを行った場合と比べて、就学児のむし歯の減少率が約65%となることが明らかになっています。このような研究結果からも、両方を合わせて使用することが虫歯予防に効果的であることが分かります。
終わりに、歯磨剤は年齢に応じた適切なフッ素濃度や製品、使用方法を選び、守るようにしてください。虫歯予防は、歯科医院で行える「フッ素塗布」も併用することで効果がより高まります。定期健診と共に定期的なフッ素塗布をおすすめいたします。疑問点や不安な事があればご相談下さい。ご来院お待ちしております。
【参考文献】
厚生労働省 生活習慣病予防の為の健康情報 フッ化物歯面塗布
フッ素をめぐる5つの疑問
公益社団法人神奈川県歯科医師会
https://www.jspd.or.jp/recommendation/article19/
公益社団法人 日本小児歯科医師会